こんにちは。オーテックプラス本店です。
今回は、 H28年式 日野レンジャー TKG-FC9JEAA の点検作業をご紹介します。

展示・販売前のチェック中に、メーター内に エンジン警告灯 が点灯していることを確認しました。
トラックは見た目がきれいでも、実際に診断機を接続して点検してみると、電子制御系やセンサー系に故障コードが残っていることがあります。
当店では、在庫車であってもそのまま展示するのではなく、警告灯や異常がある場合は原因確認を行い、状態を把握したうえで販売準備を進めています。
診断機で故障コードを確認
まずは診断機を接続し、エンジンコンピューターに記録されている故障コードを確認しました。
今回確認されたコードは、
U1123 CAN通信途絶
VNTコントローラー系統
という内容でした。
CAN通信とは、車両の各コンピューター同士が情報をやり取りするための通信回線です。
今回の故障コードは、エンジンコンピューターとVNTコントローラーの間で通信が正常にできていない可能性を示しています。

VNTコントローラーとは?
VNTコントローラーは、ターボチャージャーの作動を制御するための部品です。
VNTとは、可変ノズルターボのことで、エンジン回転数や負荷に合わせてターボの効き方を調整する仕組みです。
低速時の加速や、高速走行時の過給圧制御に関係している重要な部分になります。
このVNTコントローラーに異常があると、
・エンジン警告灯点灯
・加速が悪い
・力が出ない
・エンジン出力制限
・黒煙
・ターボが正常に効かない
といった症状につながることがあります。
まずは配線・カプラーまわりを確認
U1123は「通信途絶」のコードになるため、いきなり部品交換と判断するのではなく、まずは基本点検から進めていきます。
確認するポイントは、
・VNTコントローラーのカプラー接続状態
・端子の腐食や接触不良
・ハーネスの断線、ショート
・電源、アースの状態
・CAN通信線の状態
・ターボ周辺の熱による配線劣化
などです。
VNTコントローラーはターボチャージャー付近に取り付けられているため、熱の影響を受けやすい場所にあります。
長年使用されている車両では、配線が硬化していたり、カプラー部分に接触不良が起きているケースもあります。
中古トラックは、年式や走行距離だけでは状態を判断できません。
エンジン・ミッション・足回り・電装系・排気装置など、実際に点検してみないと分からない部分が多くあります。
特に今回のようなエンジン警告灯は、放置すると走行中の出力制限や、後々の高額修理につながる可能性もあります。
オーテックプラス本店では、在庫車の販売準備として、
・診断機による故障コード確認
・エンジンまわりの点検
・下回り点検
・オイル漏れ確認
・冷却水漏れ確認
・ブレーキまわり点検
・灯火類確認
・試運転による状態確認
などを行い、安心してご検討いただけるよう準備を進めています。
今回のレンジャーは、VNTコントローラー系統の通信異常が確認されたため、現在原因を点検中です。
配線やカプラーの接触不良であれば、修理内容は比較的軽く済む可能性があります。
一方で、VNTコントローラー本体やターボチャージャー側に不具合がある場合は、部品交換が必要になることもあります。
診断結果をもとに、必要な整備内容を確認しながら、しっかり仕上げていきます。
トラックはお仕事で使用される車両だからこそ、購入後すぐに不具合が出てしまうと大きな負担になります。
エンジン警告灯が点灯している車両や、ターボ・DPF・EGR・電装系に不安がある車両は、販売前の点検がとても重要です。
オーテックプラス本店では、在庫車の状態確認はもちろん、販売後の整備・修理・車検まで対応しております。
中古トラックをお探しの方、在庫車の状態が気になる方は、お気軽にお問い合わせください。
今後もこちらのレンジャーの点検・整備の様子を随時ご紹介していきます。