こんにちは。オーテックプラス本店です。
今回は、H8年式 いすゞ エルフ KC-NKR66ED のエアコン不良で点検入庫いただきました。
症状は、
「エアコンが効かない」
という内容です。

年式的にも平成8年式の車両になりますので、エアコン関係の部品や配管、室内ユニット内部の汚れ、経年劣化によるガス漏れなど、いくつかの可能性を考えながら点検を進めていきます。
まずは車両の状態確認から行いました。
外観は、いすゞエルフのダンプです。
仕事で使用されるトラックの場合、夏場にエアコンが効かない状態はかなり大きな問題になります。
単純に「暑い」というだけではなく、長時間運転される方にとっては熱中症対策や安全運転にも関わる部分です。
今回も、原因をしっかり確認するため、エアコンシステムの基本点検からスタートしました。
エアコンが効かない原因として多いのは、
エアコンガス不足
ガス漏れ
コンプレッサー不良
マグネットクラッチ不良
高圧・低圧配管の詰まり
エキスパンションバルブ不良
コンデンサーの詰まり・冷却不良
エバポレーターの詰まり・汚れ
ブロアモーターや風量切替の不良
ヒューズ・リレー・スイッチ系統の電気不良
などがあります。
特に古いトラックの場合、
「ガスを入れれば直る」
と思われがちですが、実際にはガス漏れや詰まり、室内ユニット内部の汚れが原因になっていることも多くあります。
そのため、ただガスを補充するだけではなく、どこまで正常に作動しているかを順番に確認していくことが大切です。
今回のエルフは、エアコンの効きが悪い、または冷風が出ない状態のため、室内側のエアコンユニットも分解して確認しています。
グローブボックス周辺やダッシュ下まわりを取り外し、ブロアケース、エバポレーターケース周辺まで分解しました。


写真でも分かるように、室内側のエアコンユニットを取り外して確認すると、エバポレーター部分やケース内部にかなり汚れが溜まっていました。
エバポレーターは、室内の空気を冷やすための重要な部品です。
ここにホコリや汚れが詰まってしまうと、冷たい空気を作れていても風が通りにくくなったり、冷えが悪くなったりします。
また、汚れが湿気を含むことで、ニオイの原因になったり、腐食やガス漏れにつながることもあります。
今回取り外したエバポレーター周辺を見ると、長年の使用によるホコリや汚れの付着が確認できます。
平成8年式という年式を考えると、今までの使用環境や経年劣化によって、内部に汚れが蓄積していても不思議ではありません。
さらに、エバポレーター本体だけでなく、ケース内部のスポンジや風の通り道も確認しています。
エアコンは、コンプレッサーやガスだけで冷えるわけではありません。
冷えたエバポレーターにしっかり風が通り、室内へスムーズに送られることで、初めて冷風として感じられます。
そのため、室内ユニット内部の詰まりや汚れも、エアコン不良の大きな原因になります。
続いて、エンジンルーム側も確認しました。


コンプレッサー周辺、エアコン配管、コンデンサー周辺を確認し、ガス漏れの跡や配管の状態も点検していきます。
写真の赤枠部分は、エアコン配管やコンプレッサー周辺の点検箇所です。
配管の接続部やホース部分は、経年劣化によって漏れが出やすい箇所になります。
特にゴムホース部分やカシメ部分、Oリング部からの漏れは、古い車両ではよく見られる症状です。
また、コンデンサー周辺も確認しています。
コンデンサーは、エアコンガスを冷やすための部品で、ラジエーター前側に取り付けられていることが多いです。
ここに汚れや詰まりがあると、ガスの冷却効率が落ちてしまい、エアコンの効きが悪くなります。
トラックは走行距離や使用環境によって、前まわりにホコリ、泥、虫、サビなどが溜まりやすく、コンデンサーやラジエーター周辺の冷却性能が落ちていることもあります。
今回の点検では、室内側のエバポレーター、ブロアケース、エンジンルーム側の配管、コンプレッサー、コンデンサー周辺まで確認を進めています。
エアコン修理で大切なのは、原因を一つに決めつけないことです。
例えば、冷えないからといってすぐにコンプレッサー交換をしてしまうと、実際にはガス漏れや詰まり、エバポレーターの汚れが原因だった場合、余計な部品交換になってしまいます。
反対に、ガスを補充して一時的に冷えるようになっても、漏れがある場合はまたすぐ効かなくなってしまいます。
そのため、
「ガスが入っているか」
「圧力は正常か」
「コンプレッサーは作動しているか」
「マグネットクラッチは入るか」
「配管に詰まりや温度差はないか」
「室内側に風がしっかり通っているか」
「エバポレーターに汚れや漏れがないか」
を順番に確認する必要があります。
今回は現在点検・分解確認中のため、最終的な原因については、さらに確認を進めたうえで判断していきます。
年式の古いエルフやキャンター、デュトロなどの小型トラックでは、エアコン修理の際に新品部品の供給状況を確認する必要がある場合もあります。
部品によっては新品が出ない、納期がかかる、リビルト品や中古部品での対応が必要になるケースもあります。
そのため、車両の使用状況やご予算に合わせて、できる限り現実的な修理方法をご提案していきます。
エアコンが効かない症状は、夏本番になると修理依頼が非常に多くなります。
特にトラックの場合、毎日仕事で使う車両が多いため、部品待ちや作業待ちになると業務にも影響が出てしまいます。
「冷えが弱い」
「風は出るけど冷たくない」
「エアコンを入れると異音がする」
「ガスを入れてもすぐ効かなくなる」
「最初だけ冷えるけど、しばらくすると効かない」
「風量が弱い」
「吹き出し口から嫌なニオイがする」
このような症状がある場合は、早めの点検がおすすめです。
今回は、H8年式 いすゞ エルフ KC-NKR66ED のエアコン不良点検の様子をご紹介しました。
室内ユニットを分解し、エバポレーターやケース内部の汚れ、エンジンルーム側の配管・コンプレッサー・コンデンサー周辺まで点検を進めています。
原因が特定でき次第、必要な修理内容をお客様へご説明し、作業を進めていきます。
エルフ、キャンター、デュトロなどの小型トラックのエアコン修理・点検もお気軽にご相談ください。